将来の目的やライフスタイルを見越して、お金を貯めている働く女性は多いのではないでしょうか。
しかし、そのお金の預け先が銀行というのは、実にもったいない!
むしろ損してしまうかもしれません。
そこで、おすすめしたい新しい貯蓄方法がつみたてNISAです。
「言葉は知っているけど、実は内容をよく理解していない」
「つみたてNISAをいまさら誰かに尋ねるのは恥ずかしい」
そんな声が聞こえてきそうです。今回は、忙しく働く女性のためにつみたてNISAをわかりやすく解説します。
お金を賢く増やしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
つみたてNISAが注目されている理由、それはずばり今の日本が超低金利時代に突入しているからです。
日本銀行が公表している統計データによると、全国の定期預金の平均年利率はなんと0.003%。(2021年4月末時点)。普通銀行に至っては、なんと0.001%と超低金利となっています。
たとえ100万円定期預金に預けたとしても1年でわずか30円しか増えません。さらにたった30円の利息に、20.315%の税金がかかるので、実際にもらえるのは税金を除く23円。
それでも、「定期預金に預けているだけで年間23円ももらえるなら、お得なのでは?」と思われるかもしれません。
しかし近い将来、銀行に預金するだけで手数料が取られる時代がやってきます。その前段階として、三菱UFJ銀行では2021年7月から休眠口座に対して年間1320円の手数料を取ることを発表しました。
また海外では既に、銀行で預金するのに手数料がかかることが多く、日本もそれに習って手数料を取る時代がやってくることが予想されます。
そう考えると今後も、銀行の定期預金にお金を預け続けていいのか疑問を持ちませんか?
定期預金に代わって、働く女性におすすめしたい貯蓄方法が、つみたてNISAです。つみたてNISAとは、【積立投資のための非課税制度】のことです。
つみたてNISAを利用して積立投資すれば、20年間得られた利益は非課税になります。
▼つみたてNISAの概要
利用出来る人 | 20歳以上であれば誰でも |
非課税投資期間 | 最大20年間 |
非課税上限額 | 年間40万円 |
投資可能な金融商品 | 金融庁の定めた基準を満たす、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託193本(2020年12月時点) |
預金引き出し | いつでもOK |
口座開設手数料・管理手数料 | 無料 |
とはいえ、積立投資って何?積立定期とどう違うの?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
そこで、次は積立定期と積立投資の違いを見てみましょう。
積立定期・積立投資ともに、指定した口座から自動的にお金が引き落とされるまでは同じです。積立預金は、お金を別口座に移すだけで終わりです。
一方、積立投資は引き落とされたお金で、毎月少しずつ投資信託を購入していくという違いがあります。
投資信託とは、経済・金融に詳しいプロが投資家に代わって、資産運用する金融商品のことを言います。仕事や家事・婚活などで忙しい働く女性たちに代わって、株や債券をプロが管理してくれるのは嬉しいですよね。
ただ投資信託は、株や債券の知識はいらないものの、次の手数料と税金がかかります。
・購入時手数料…金融商品を購入するたびに差し引かれる手数料
・信託報酬…ファンドの運用・管理を行うための維持費
・所得税及び地方税…利益が出たときにかかる税金。税率は20.315%
これらの手数料をできるだけ抑えるため、投資信託を選ぶ時には、さまざまな金融商品を比較する必要があります。でも働く女性にとって、数ある投信信託の中から最適な金融商品を選ぶのは至難の業です。というか…面倒ですよね。
でもご安心ください!つみたてNISAを利用することで
・利益に対して高すぎる税金問題
・手数料の安い投資信託選び
これら2つの問題を解決できます。
それでは、つみたてNISAのメリットを見てみましょう。
つみたてNISAとは、積立投資をするためのお得な制度ということは何となくわかりました。しかし、概要を確認してもイマイチ魅力を感じないという方が多いのではないでしょうか。
そこでここからは、つみたてNISAが働く女性にとってどのようなメリットがあるのか解説します。
つみたてNISAの最大のメリットは投資で得た利益は、20年間税金が免除されることです。通常、株や債券で得た利益のうち20.315%は所得税及び住民税として支払う義務があります。
積立投資で得られる最終的な利益は、運用が上手くいけば数十万、数百万円になることも。もし、つみたてNISAを利用せず100万円の利益が得られたとしたら、203,150円も課税されてしまうのです。
つみたてNISAを利用すれば、投資で得られた利益の全てを自分のものにできます。賢い働く女性のあなたであれば、つみたてNISAを利用しない手はありませんよね。
投資信託をするには、株や債券の知識は不要なものの、金融商品が多数あるのでそれらを比較して選ぶ必要があります。
とはいえ株や債券の知識がない中、なるべく手数料を抑えた、低リスクの金融商品を選ぶのは大変です。けれどもつみたてNISAならば、金融庁の厳しい基準をクリアした193の金融商品があらかじめ用意されています。
この193の金融商品は、
・信託報酬が1.5%以下であること
といったようにコストが高すぎる商品はあらかじめ除外されています。また低リスクで信用できる金融商品ばかりを選定していることから、投資初心者の働く女性も安心して選べますよ。
株式投資をして、何十万、何百万というお金を一括投資していたら、たとえ知識や心構えがあったとしても、値動きは毎日気になるものです。もしかすると、本業の仕事もおろそかになるほど、値動きをチェックしてしまうかもしれません。
つみたてNISAは、長期的な投資でさらに投資信託でプロに全てお任せするので値動きを常にチェックする必要はありません。ほったらかしで資産運用できるので、まさに忙しく働く女性にぴったり。
むしろ毎日値動きをチェックしてしまうと、値動きの上がり下がりに振り回されてつみたてNISAを続けられなくなってしまうので要注意です。
・急な病気や怪我
・災害に見舞われる
など、まとまったお金が必要になることって多々ありますよね。そしてそういう時に限って、給料日前で足りないことも。つみたてNISAは、万が一のときはいつでも必要な分だけ引き出すことができます。
また定期預金のように、引き出す時は一部または全額解約しなければならないといった決まりもありません。さらに、引き出したあとも継続してつみたてNISAを続けることができます。
つみたてNISAのメリットを見ると、
・低リスク・ほったらかしで運用できる
・いつでもお金が引き出せる
ということから「私にも出来そう!」と思われるかもしれませんね。
でも、ちょっと待ってください。
つみたてNISAには少なからずデメリットもあります。実際に運用を始める前にデメリットも合わせて知っておきましょう。
つみたてNISAは低リスクとはいえ「投資」です。そのため運用途中に値下がりし、元本割れする可能性もあることを覚えておきましょう。
ただし、つみたてNISAはメリットでも言いましたが、非課税投資期間が20年間もあります。もし運用途中で元本割れしてしまっても、プラスに転じるまで積立投資を続ければ問題ありません。
つみたてNISAの運用がうまくいくと、「つみたて額をアップしてもっと利益を得たい!」と思う方も少なくないでしょう。
しかし、つみたてNISAの年間投資限度額は40万円。限度額を超えて投資をすると金融機関によって
・越えた分は課税口座で再投資される
などの制限がかけられます。20年間も非課税期間があるので、投資額に制限があるのは仕方がないかもしれません。
つみたてNISAの魅力がわかったところで、早速つみたてNISAを始めてみましょう。
とはいえ働く女性は忙しいので、つみたてNISAのために銀行を行き来するのは大変です。でもご安心ください。つみたてNISAの準備はたった3ステップ、すべてネットで完結できます。
1.金融機関で口座を開設
2.開設したつみたてNISA口座に入金
3.つみたてNISAの投資信託の銘柄を選択
それでは1つずつ解説します。
まずは銀行または証券会社で
・証券総合口座
・つみたてNISA口座
の2つの口座を開設しましょう。
ネット銀行・証券会社だとWEBで同時申込できます。2つの口座を同時開設する場合、必要な期間は金融機関によって異なりますが、約1ヶ月ほどかかります。余裕を持って申し込みましょう。
ちなみに、おすすめの証券口座は次の3つです。
証券口座 | 銘柄の種類 | おすすめポイント |
SBI証券 | 172種類 | ・かんたんつみたてアプリでおすすめの資金や金額配分の提案・土日も対応!NISA専用カスタマーサービスあり |
楽天証券 | 170種類 | ・積立代金を「楽天ポイント」で支払える・楽天カードのクレジット決済でつみたてすれば金額に応じて楽天ポイントをゲット |
松井証券 | 153種類 | ・自分に合った投資信託の銘柄をおすすめしてくれる「FUND DRESS」サービス・つみたてNISA口座を開設すると、通常の株式の取引手数料が最大5%割引 |
これら3つの証券口座は、すべて積立額100円からつみたてNISAを始められます。
また取扱う投資信託の銘柄も多く、SBI証券に至っては172種類と選び放題です。
後ほど、働く女性におすすめしたい3つの投資信託の銘柄をご紹介しますが、これら3つの証券口座で全て取扱っている銘柄です。
金融機関で口座を開設したら、早速つみたてNISA口座に入金しましょう。初回の入金は、余裕をもって毎月の積立額×3ヶ月分くらいの金額を入金すると安心です。
つみたてNISAの積立額は随時変更できますが、安定した投資ができるよう金額変更は1年ごと行うのがおすすめ。年間投資限度額を越えない、ムリのない積立額を決めておきましょう。
つみたてNISAをはじめるときに重要なのが、最初の銘柄選びです。
なぜならつみたてNISAは基本的に、ほったらかしで運用するので、銘柄をコロコロと変えることがないからです。
とはいえ、投資初心者ならばどれを選べばいいのか迷いますよね。
実は、つみたてNISA口座を開設した金融機関によって選べる投資信託の銘柄の種類は違います。
ただ、どの銘柄を選ぶにしろ、この2つを押さえておけば、最初の銘柄選びは合格です。
・世界中の資産に分散投資している銘柄
・勝率の高いインデックス型
それでは1つずつ解説します。
投資信託の中には、「日本だけ」、「アメリカだけ」というように特定の国にのみ投資するものもあります。1つの国に絞るのはリスクが低いように思えますが、実は高リスク。
なぜなら、投資している国の経済・社会・政治などの状況によって、値動きが大きく変動してしまう恐れがあるからです。
値下がりのリスクを最小限に抑えるため、全世界の複数の国に分散して投資する投資信託の銘柄を選ぶようにしましょう。
投資信託の方法には、
・アクティブ型
の2つがありますが、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)の動きに合わせて運用するインデックス型がおすすめ。値動きが小さい分、もうけは少ないですが長期的に見れば、アクティブ型よりも大きな利益を手にすることができます。
一方アクティブ運用は、その名の通り、株価の動きに関係なく運用する方法です。より多くのもうけを短期間で得られる反面、元本割れのリスクも高いので、着実に将来のお金を増やしたい!と考える働く女性にはおすすめできません。
つみたてNISAの投資信託の銘柄は、2つのポイントを抑えたものを選ぶといいことがわかりました。でも正直言って…銘柄を1つ1つ確認するのは、大変ですし面倒です。
そこでここでは働く女性におすすめしたい!つみたてNISAの銘柄3選をご紹介します。投資初心者の働く女性は、まずこの中から1つだけ選択して、つみたてNISAを始めましょう。
銘柄名 | 運用会社 | 信託報酬 | 投資地域 |
SBI・全世界株式インデックス・ファンド | SBIアセットマネジメント | 0.1102% | 全世界(先進国から新興国まで) |
たわらノーロード 全世界株式 | アセットマネジメントOne | 0.132% | 全世界(先進国から新興国まで) |
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 三菱UFJ国際投信 | 0.154% | 全世界(先進国のみ) |
それではそれぞれの銘柄を見ていきましょう。
SBI・全世界株式インデックス・ファンドの特徴は格安の信託報酬で、年率0.0682%となっており低コストで運用できます。
また全世界の株式約98%に分散投資するので低リスクで運用できるのも嬉しいポイントです。購入しておいて損はないでしょう。
2019年7月に新設された投資信託の銘柄です。先進国および新興国の市場にも手広く投資を行っており、基準価額騰落率が2019年5月から2020年5月までの期間で+46%と絶好調な銘柄です。
開設依頼、純資産総額が上昇しているのも注目すべきポイント。今後も上がることが期待される銘柄の1つです。
国内株式・国内債券・先進国株式・先進国債券・新興国株式・新興国債券・国内REIT・海外REITの8資産を均等に配分しているバランス型の銘柄です。通常、投資信託を購入するときは、リスク分散するために、資産・投資地域の異なる銘柄を複数購入して、リスクを分散します。
しかしeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、あらかじめ分配されているのでこれ1本選ぶだけでリスク分散が可能です。
つみたてNISAも投資の1つなので、なるべく株価が低い時に申し込まなければならないと思われがちです。しかしつみたてNISAはいつはじめても大丈夫です。むしろ早く始めるべきだと考えます。
なぜなら、つみたてNISAは長期的な投資を行うから。そしてつみたてNISA制度の利用には期限があり、2037年までの限定的な制度です。
つまり、2037年までに申し込まなければ、20年間の非課税の恩恵を受けられないのです。
もしかするとこの後の情勢により、この期間が短くなるおそれもあります。これを機会にぜひつみたてNISAを検討してみてはいかがでしょうか?
つみたてNISA制度を利用した投資は、一度銘柄を決めてしまえば、運用を全部丸投げできるので、忙しい働く女性にぴったりです。
さらに投資で得た利益に対して、最長20年間も税金が免除され、さらに期間内は自由に引き出しができます。これならば、いつか結婚や子どもが生まれて、まとまったお金が必要になったときにすぐ出し入れできるからいいですよね。
さらに引き出した後も続けて運用できるのも嬉しいポイントです。
おすすめの証券口座や投資信託の銘柄もこちらを読んでわかっていただけたかと思うので、これを機にぜひつみたてNISAの申込を検討してみてはいかがでしょうか。