厳しいノルマ、天候関係なくする外回り。
努力に対して、結果が伴わない営業成績に落ち込む日々。
営業職はやりがいのある仕事でありますが、同時にキツイ仕事でもあります。
そこで頭をよぎるのは転職の二文字ですよね。
多くの人がそこで営業以外の仕事を希望しがちですが、ちょっと待ってください!
営業のキャリアを積みながら転職するなら営業職のまま、他業界への転職がおすすめです。
「モノやサービスを売り込む」という基本スタイルは変わらないものの、業界を変えるだけで業務内容がガラリと変わります。
そこで今回は、営業から営業へ転職するときのおすすめポイントと業界をご紹介します。
営業職からの転職を希望している方は、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
営業職から転職しようと考えたとき、多くの人は営業以外の仕事―異業職への転職を考えがちです。
しかしながら営業の仕事はそのまま、業界を変えて転職をする道もあります。
こちらのグラフをご覧ください。
出典:【転職決定者データから見る】2020中途採用市場 中途採用においては「越境採用力」もカギに | プレスリリース | リクルートキャリア – Recruit Career
株式会社リクルートキャリアが2009年から2018年度に行った転職決定者分析をまとめたもので、こちらのデータは転職者が前職を起点としてどのような企業に転職したかを表しています。
営業職の結果のみをピックアップすると次の通りです。
異業種×異職種 | 異業種×同職種 | 同業職×異職種 | 同業職×同職種 |
23.4% | 47.1% | 7.7% | 21.8% |
意外にも業界のみを変えて転職する、【異業種×同職種】の割合が47.1%と最も多い割合となっています。
つまり、多くの人が営業から営業への転職を試みて成功していることがわかります。
しかしながら、なぜ同じ営業職のまま業界だけ変えて転職する人が多いのでしょうか?
それには3つの理由があります。
一口に営業といっても、業界によって業務内容は異なります。
たとえば、メーカーの営業とブライダルの営業の業務内容や営業スタイルを比べてみましょう。
会社または個人を相手に自社の新商品を売り込む。新規営業か既存営業かによって業務内容は変わる。新規営業の場合、直接訪問を行うこともあり。
お客様に出向いてもらい、自社のサービスを売り込む。新規営業が主で社内でイベントを企画したり、雑誌やフリーペーパーなどへの掲載をしたりして顧客を集客する。
このように業界別に営業職を見てみると、業務内容や営業スタイルが全く違うことがわかります。
また同じ業界の営業職への転職であっても、会社を変えることで営業スタイルや業務内容が異なることも。
このように業界を変えることで、自分のスキルや実力が発揮できることもあります。
異業種に転職すると、多くの場合新入社員と同じポジションで受け入れられることが多く、現職よりも報酬がダウンしてしまう恐れがあります。
しかし業界を変えて営業職を希望する場合、たとえ未経験の業界でも報酬がそのままもしくは高い企業への転職が可能です。
なぜなら転職市場において、営業職はどの業界も需要が高いから。
営業経験者は、【商品やサービスを売り込むノウハウ】を持っているので、企業は即戦力として期待しています。
そのため、新卒の就職活動では手の届かなかった大手企業に転職することも不可能ではありません。
営業から営業への転職は、自身のキャリアアップにつながることもあります。
先ほども説明しましたが、同じ営業職でも業界によって業務内容や営業スタイルが異なります。
今と全く違った業界に転職しても、慣れるまでが大変では?
と思われる方もいるでしょう。
しかし、営業職で培った次のスキルは、他業界であっても活かすことができます。
・問題解決力
・提案力
また、他業界に転職して売り込む商品やサービスは違っても「自社の商品の価値を伝える」という営業の基本は変わりません。
そのため、現職と全く違う業界へ転職したとしても、商品やサービスの特徴をつかめば、転職先でもスムーズに営業を続けることができます。
営業職から営業職への転職は、現職で培ったスキルを元にキャリアアップできたり、他業界でも活躍できたりすることがわかりました。
そこでここからは、営業職から営業職へ転職を考えたときに、おすすめしたい4つの業界をご紹介します。
これから伸びる業界や安定している業界ばかりですので、ぜひ転職活動の参考にしてください。
最新技術やAIを使った商品やサービスはニーズが高く、売れやすいためIT業界の営業職は将来性がありおすすめです。
未経験で難しそうなIT業界での転職は可能なの?
と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
でもご安心ください。
IT業界は常に人手不足に悩んでいるので、未経験でも就職しやすい傾向があります。
IT業界の営業職を3つピックアップしました。
・ハードウェア営業
通信機器やPC・サーバーなどを取り扱う営業です。
IT業界の営業では古株の職種です。
ソニー・日立・東芝などの大手企業が主となっており、営業スタイルはルート営業となっています。
・クラウドサービス営業
別名「SaaS営業」とも呼ばれています。聞いたことあるけど、よくわからないという方もいるかもしれません。
しかし、具体的なサービス名を挙げると使ったことがある人も多いのではないでしょうか。
・営業を効率化する「Salesforce」
・社内チャットツール「slack」
・経費精算「freee」
SaaSとは、【Software as a Service】の略で、サブスクリプション(継続課金モデル)により提供するソフトウェアのことをいいます。
つまりSaaS営業は、月額制で使える便利なソフトウェアを法人企業に売り込むことです。いま世界的に注目されている営業で、今後もますます多くのサービスが世に出てくることが予想されます。
・パッケージ営業
パッケージソフトウェアとは、マイクロソフト・オフィスやセキュリティーソフトなどの総称です。
ここでいうパッケージ営業とは、法人向けに財務や人事・顧客情報などを管理・補助するERPパッケージなどを売り込むことです。
販売・営業力が問われる職種で、新規開拓が難しい傾向があります。
上記3つ以外にも新しい技術の出現とともに新しい営業職が次々と生まれています。多種多様な営業職の中に、自分のスキルや能力が活かせるものがあるかもしれません。
「全く分からないから…」と敬遠せずに積極的に情報収集してみましょう。
電気やガスなどのインフラは、競合が少なくルート営業が主なので、安定を求める方におすすめです。
この業界は大手企業が多く、給料体制や労働条件がしっかりしているのも特徴の1つです。
しかし、インフラ系の営業職は中途採用が少なく、なかなか求人が上がってきません。
インフラ系の営業に転職したいのであれば、自力で探すのには限界があるので、転職エージェントなどで非公開求人を探してもらうといいでしょう。
ネームバリューがある大手メーカーの営業もおすすめです。
業界にもよりますが、訪問販売などは外注化しているところが多く、営業スタイルはルート営業が主となっています。
インフラ業界と同じように給料体制や労働条件がしっかりしているので、ライフワークバランスを考えたい転職者におすすめです。
営業職を経てからの転職の場合、新卒の就職活動では手の届かなかった大手メーカーへの就職も夢ではありません。
気になる大手メーカーが求人を出していたら、ぜひ応募してみましょう。
人材業界はその名の通り、「人材」を取り扱う仕事となります。
人材業界の特徴は、ほとんどの社員が何らかの形で営業に携わる仕事をしていること。
また大手企業へ転職しやすく、営業のキャリアアップを目指す方におすすめの業界です。
そんな人材業界は業務内容によって次の3つにわけられます。
・人材紹介
社員を求めている企業に対して、新卒・中途の求職者を紹介する仕事です。人材紹介の中は法人営業・個人営業の2つの営業スタイルがあります。
・個人営業…求職者に対してフォローやアドバイスをする
法人営業と聞くと、一見簡単そうに思えますが人材紹介の法人営業の場合、一定数の企業から求人情報を掲載してもらうため、新規開拓が重要な仕事になります。
企業とゼロから信頼関係を築きあげ、求人情報掲載を継続してもらう必要があるため、営業の中でも難易度の高い職種になります。
高い営業スキルと強い忍耐が必要なので、転職後はまず個人営業に配属されることが多いでしょう。
個人営業はまさに転職エージェントの仕事そのもの。キャリアアドバイザーとも呼ばれて、求職者の就職をサポートします。
・人材派遣
人材派遣を希望している企業に自社の派遣スタッフを送る仕事です。人材派遣の営業は飛び込み営業が多いことから、激務になってしまいがち。
給料も歩合制のところが多く、ノルマが厳しいことから営業職の間でも嫌煙されがちです。
しかし見方を変えれば、実力主義なので、年齢に関係なく活躍できる場でもあります。
・求人広告
求人を募集している企業の広告をメディアに掲載する仕事です。Webサイトと紙媒体の2つのメディアがありますが、近年はWebメディアが主となっています。
求人広告は先ほど紹介した2つの仕事と異なり、求職者とやり取りすることはありません。
求人募集を行う企業とやり取りしながら、企業が求める社員を採用できるよう広告でサポートします。求人広告は人材派遣同様、飛び込み営業が多いのが特徴です。
このように人材業界は、激務であることから生半可な気持ちで飛び込むと
こんなはずではなかった…
と後悔してしまうことになりかねません。
しかしながら、忙しいがゆえに自分の営業スキルが試される業界でもあります。「人」を相手にする仕事なので、責任が重くストレスを感じることも多いです。
しかしその分感謝される機会も多く、やりがいを感じやすいという特徴もあります。やりがいを感じたい、もっと自分の営業スキルを伸ばしたい営業職の方にぴったりな業界です。
ここまでは男女関係なく、営業職から営業職へ転職したい方に向けて、おすすめポイントや業界を解説しました。
しかしながら女性営業職の場合、男性のように給料や条件、やりがいのみに目を向けた他業界への転職は失敗する恐れがあります。
そこでここからは、女性営業職が他企業の営業職へ転職するときのポイントを2つご紹介します。
結婚・出産・育児など30~40代女性のライフイベントは、人生の中で最も忙しい時期です。
営業職の女性が転職を検討するときは、この大きな変化に対応できるような転職先を選ぶようにしましょう。
たとえば、現職がとてもやりがいがあったとしても、
・産休・育休の実績がほぼゼロ
・福利厚生の内容に不安がある
といった場合、出産後に子育てしながら働くのが難しい場合があります。
子育てしながらの転職は非常に難しい傾向があります。
もし現職がライフイベントの変化に対応できなさそうであれば、20代の自由に動けるうちに転職を検討しましょう。
女性営業職が他業界の営業へ転職する際は、女性が活躍できる業界への転職をおすすめします。
なぜなら、女性が活躍できる業界の企業は、女性ならではの悩みをわかってくれる人が多いから。
またライフイベントの変化に対応する福利厚生も充実しており、育児と仕事の両立をサポートする体制が整っています。
次の業界は、年齢を問わず女性が活躍できる業界です。
・美容業界
・保険業界
・教育業界
これらの業界は女性ならではの細かい気遣いや親身に話を聞く姿勢などが売り上げアップに繋がります。
ライフイベントの変化に合わせた、お客様の悩みに対して当事者意識で話すこともできますね。
女性営業職が転職を検討するときは、このように「女性であること」を強みにできる業界へ転職を検討しましょう。
営業職は、やりがいがあるもののノルマや外回りなどがきついことから、他の職種での転職を考えがちです
しかしながら、同じ営業職でも業界を変えるだけで、働きやすくなったりすることは大いに考えられます。
また営業職で培ったスキルは、他業界での営業でも重宝されるので、
「営業職が嫌だ!」
という理由だけ他職種での転職はとてももったいないことです。
ここで他業職に転職してしまうと、営業のキャリアが途絶えてしまいます。
営業職は企業でも需要が高いので、新卒の就職活動では手が届かなかった大手企業の営業職に転職できることもあります。
自身のキャリアアップを進めていくためにも、営業職で転職を考えている方は、同じ営業職での転職も検討してみてはいかがでしょうか。