努力しても伸びない営業成績。
同僚が出世していく中、取り残される自分。
営業という仕事が肌に合わず、苦痛に感じてしまうと仕事だけでなくプライベートにも影響が出てしまいます。
そこで考えるのが営業以外の仕事、他業種への転職です。
業種を変えることで、働きやすくなると多くの人が思いがちですが、それは間違い。
営業に限らず未経験の他業種への転職は、難しく事前準備や心構えをしないと転職を後悔してしまうかもしれません。
そこで今回は、営業から他業種への転職を成功させる5つのポイントと注意点をご紹介します。
営業職から他業種への転職を希望している方は、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
営業から営業以外の仕事―他業種への転職を成功させた人はどれくらいいるのでしょうか?
出典:【転職決定者データから見る】2020中途採用市場 中途採用においては「越境採用力」もカギに | プレスリリース | リクルートキャリア – Recruit Career
こちらのグラフをご覧ください。
株式会社リクルートキャリアが2009年から2018年度に行った転職決定者分析をまとめたもので、こちらのデータは転職者が前職を起点としてどのような企業に転職したかを表しています。
こちらから、営業職の結果のみピックアップしてみます。
異業種×異職種 | 異業種×同職種 | 同業職×異職種 | 同業職×同職種 |
23.4% | 47.1% | 7.7% | 21.8% |
営業以外の仕事に携わっている人の割合は、【異業種×異職種】と【同業職×異職種】を合わせて、31.1%。
意外にも全体の約3割しかいません。
後ほど詳しく説明しますが、営業以外の仕事に転職すると
・自分の裁量で仕事ができず戸惑う
という2つの注意点があります。
そのため、いままでの労働条件を維持したい人はそのまま営業に就くことが多い傾向があります。
しかしながら、営業から他業種への転職を成功させている人も約3割いることも事実です。
ここからは、営業から他業種への転職を成功させる5つのポイントをご紹介します。
営業職だけに限らず、一般的に未経験の他業種への転職は、同業種の転職に比べて、難しいとされています。
なぜなら企業が、中途採用者に求めるのは、前職の知識・経験があり即戦力だからです。
そのため、他業種への転職は年齢が高くなるほど難しくなります。
このことから、営業から他業種への転職を希望するのであれば、20代の早いうちから転職活動を始めた方がいいでしょう。
営業から他業種への転職を始める前に、「なぜ転職したいのか?」を明確にしましょう。
成績が数値化されるのがツライ
ノルマがきつく、上司から叱責されるのがツライ
さまざまな理由があるかと思います。
でももしかすると、
・会社の営業スタイルが肌に合わない
・上司がパワハラ気質である
など営業そのものが嫌だという理由ではないかもしれません。
本当に営業職が苦痛だったとしても、転職したい理由を突き詰めないと他業種へ転職しても「こんなはずではなかった…」と後悔してしまう恐れがあります。
そうならないためにも、営業から他業種へ転職したい理由をしっかりと考える必要があります。
もしかすると、【今の営業スキルを持ったまま他業界へ転職した方が、良い】かもしれません。
そのときは、こちらの記事が参考になりますので、ぜひご覧ください。
転職には時間や労力がかかるだけでなく、
・給料やポジションが下がる
・職場環境に馴染めない恐れがる
といった大きなリスクが伴います。
他業種へのであれば、業務内容をイチから覚えるといった負荷も加わるでしょう。
そのような中で、新しい職場で生き生きと働くのは難しいものです。
そこで検討してもらいたいのが社内転職です。
社内転職とは、社内の業務や職場環境を変える「部署異動」のことをいいます。
社内転職であれば、会社を辞めるという大きなリスクを負わずに他業種に従事できる可能性があります。
もちろん、会社の規模によっては社内転職ができない場合もありますが、試してみる価値は十分あるでしょう。
営業から他業種へ転職する意志が固まったのであれば、転職先にアピールできる実績やポテンシャルをまとめましょう。
営業職の場合、実績を数値化できるという大きなメリットがあります。
たとえば、
・最も売り上げを挙げた営業成績では全体で○位を取った
・今までに契約した顧客数は●●人
など過去の実績を洗い出してみます。
実績だけでなく、そこに至るまでのエピソードで希望する業種へのアプローチができると、他の求職者との差別化ができます。
小さな成果でも構いません。まずはアピールできそうな実績をたくさん集めてみましょう。
いざ他業種への転職を目指そうとしても、自分にどんな業種が向いていて、どんな企業がおすすめなのか、すぐには分からないものです。
転職を成功させるには、入念な自己分析と企業の情報収集が必要になります。
しかしながら、現職の営業の仕事をしながら他業種への転職活動をするのは至難の技です。
そこでおすすめなのが、転職エージェントの活用です。
転職エージェントでは、求職者に対してぴったりな企業を紹介するだけでなく、担当コンサルタントが求職者の自己分析や面接のアドバイスもしてくれます。もちろん利用料金は無料です。
他業種での転職は、たとえ20代であっても困難を極めるものです。プロの手を借りながら、自分の納得のできる企業・業種への転職を目指しましょう。
営業から他業種への転職を成功させるポイントがわかったところで、
早く転職活動をしたい!
と思っている方もいることでしょう。しかしながら、ちょっと待ってください。
営業から他業種へ転職する前に心得ておきたい2つの注意点があります。
転職後に
やっぱり転職しない方がよかったかも…
と後悔しないためにもここで確認しておきましょう。
注意点1:給料が下がる恐れがある
営業職の場合、多くが歩合制を採用。
成績によりボーナスや給料が上乗せされる給料システムを採用している。しかし他業種の場合、給料が上がるのは、多くの場合ポジションが変わったときのみ。
さらに未経験の他業種で転職する場合、営業でのキャリアが通用せずに新入社員と同じポジションで入職させられることも。そうなると給料も大幅に下がる恐れがあるので注意が必要。
注意点2:自分の裁量で仕事ができなくなる
営業職は業界にもよりますが多くの場合、個人プレーで業務を行うスタイルで、自らで企業や顧客にアポを取り、営業を行います。
そのため、ある程度自由にスケジュールを立てることができ、仕事のない日は半休をとったりすることも可能です。また外回りで終業時間に近くなった場合、そのまま直帰することもできます。
ところが、他業種では大きなプロジェクトを複数人が分業して業務を行うことが多く、自分の裁量だけで業務を進めるのが難しくなります。
たとえ自分が決められた業務をスケジュール通りこなしても、他の社員の業務の進捗によってリスケジュールされることも少なくありません。
そのため思い通りに業務や休暇が取れず、営業職とのギャップに悩む恐れがあります。
ここまでは男女関係なく、営業から他業種へ転職したい方に向けての転職成功のポイントや注意点を解説しました。
しかし女性営業職の場合は、さきほど紹介したポイントや注意点に加えて、30代から40代にかけて結婚や出産などの大きなライフイベントに向けて、対応できる企業に転職する必要があります。
そこでここからは、女性営業職がチェックしておきたい、他業種の企業へ転職するときのポイントを2つご紹介します。
営業職に限ったことではありませんが、女性が転職を考える際は、福利厚生が充実している企業を選びましょう。
たとえ、まだ結婚や出産をする気持ちがなくても福利厚生がしっかりしていれば、安心して就業できます。結婚や出産だけでなく、自身の病気や怪我、親の介護などで業務を休まなければならなくなることは、30~40代にかけて大いに考えられます。
これらの状況下でも、働くことができるよう転職の際は、福利厚生もしっかりチェックしましょう。福利厚生については、こちらの記事が参考になりますので、ぜひご覧ください。
冒頭でも言いましたが、営業から未経験の他業種への転職は、給料やポジションが下がってしまうことが多い傾向にあります。
営業職の場合、給料の男女差はほぼなく、成績に応じて給料や賞与の支払額が変わることが多いです。
しかし他業種の場合、ほとんどがポジションに応じて、給料が決まります。さらに残念なことに企業によっては、男女によって就くポジションが違い、給料に差が出ているところも。
そのため、業種によっては給料やポジションが極端に下がってしまうことも考えられます。給料やポジションが極端に下がる企業に就職してしまうと、働くことへのモチベーションが下がります。
その結果、もう一度転職活動をせざるを得なくなることもあります。
営業職は、ノルマがあったり外回りなど体力をつかったりすることから、合わない人にとっては、心身ともにストレスが溜まりやすい業種です。
そのため、他業種への転職を安易に考えがちですが、一筋縄ではいきません。
また他業種への転職を成功させたとしても、企業の選び方を間違えると「こんなはずではなかった…」と後悔してしまうことも。
営業から他業種への転職を成功させたいのであれば、次のポイントを抑えましょう。
・「営業」という業種が嫌なのか突き詰める
・実績を集めてからアピールポイントを探す
・社内転職を検討する
・転職エージェントを活用する
20代であれば、営業で培ったビジネススキルとポテンシャルで、他業種への転職もそこまで難しくありません。
早めの行動と事前準備で、営業から他業種への転職を成功させましょう。