「学生の頃、もう少し勉強していれば良かったなぁ…」
このように学校での勉強不足を後悔する社会人は少なくありません。
この感情は悪いものではないのですが、こじらせてしまうと学歴コンプレックスに陥ります。
学歴コンプレックスに陥ってしまうと、過去の自分にばかり目を向けてしまい、それが前を進む壁になってしまうことも。
そうなると、学歴コンプレックスにより転職や新たなスキルを身に付けようとするモチベーションが下がってしまいます。学歴コンプレックスによって、自分の未来が阻害されるのは避けたいものです。
そこで、今回は転職活動に学歴コンプレックスが不要な理由を解説します。
合わせて、学歴コンプレックスを克服する方法も紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。
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少し古いデータですが、学歴コンプレックスについて、興味深いデータがあります。
株式会社NEWSYが運営しているWebサイト「しらべぇ」が、2015年に全国20~60代の男女555人を対象に学歴コンプレックスの有無についてアンケート調査しました。
出典:「学歴コンプレックス」をデータで斬る!年収◯万円だと6割も? – ニュースサイトしらべぇ
調査結果によると、38.0%。全体の約4割の人が「学歴でコンプレックスを感じたことがある」と回答。
合わせて年収別で、学歴コンプレックスの有無をアンケートしたところ、年収500万円~700万円の層が学歴コンプレックスが最も高く、61.8%。
出典:「学歴コンプレックス」をデータで斬る!年収◯万円だと6割も? – ニュースサイトしらべぇ
上場企業に勤める中堅サラリーマンの平均年収が603万円なので、この層にあたります。
上場企業に勤めてなおかつ年収も高いならば、学歴なんて気にしないのでは…?
と思いますよね。
しかし大企業に勤めるサラリーマンは、同僚との出世争いに直面する場面が多くなります。そこで同僚と学歴の差を意識する場面が多くなるのです。
なお最も低いのは、意外にも年収300万円以下の層で31.1%という結果がでています。
この層にいるのは、実力で勝負する職人やフリーター、専業主婦の人たちなので、日常生活で学歴を意識する場面が少ないからなのではと推測されます。
先ほどの調査結果にはありませんでしたが、転職を意識するときに「学歴」を気にする人は少なくありません。
現職で実績を積んだとしても、
地方の大学出身者の自分が大企業に転職しようなんて…おこがましいのでは?
と考えてしまう人も中にはいます。
しかしながら、学歴コンプレックスでハイキャリア企業への挑戦を諦めてしまうのは実にもったいないことです。
なぜなら、転職活動に学歴は関係ないからです。
ここからは、なぜ転職活動に学歴は関係ないのか、3つの理由を解説します。
日本の場合、新卒採用を行う就職活動は同じ時期に一斉に行われ、一括で大量の学生を採用します。そのため、大手企業や人気企業には多くの募集が集まりがちです。
採用人数は限られているので、企業はどうしても「学歴」という一定条件を設けて、切り捨てていきます。学歴関係なく、1人1人丁寧に面接していったら時間がいくらあっても足りませんから。
一方で、企業が中途採用を行うのは、あるポジションの人手が足りなくなったときや新規事業を立ち上げたときにスキルを持った人材が欲しいときです。
そのため不定期、若干名の募集で行います。新卒に比べて、採用する人数も求職者も少ないので、1人1人時間をかけて採用をします。
企業もミスマッチな人を採用して、時間とコストを無駄にはしたくないからですね。そのため学歴よりも、コミュニケーション能力や社会人経験、スキルなどが重視されます。
このように就職活動と転職活動では、採用する人数や重視されるポイントが全く異なります。
企業が中途採用を行う場合、求職者がどんなスキルを持っていて、現職でどんな実績を積んできたのかを評価します。
そのため、企業が欲するスキルを持っていたり、現場で有利に働ける資格を持っていたりすると、内定を取りやすくなります。
そこに、学歴は一切考慮されません。
例えば、あなたが企業の面接官だったら次のどちらを採用しますか?
B:学歴はAよりも劣るが、前の職場で売上No.1を出す商品を開発。係長として部下をまとめた経験あり
恐らく皆さんがBと答えるでしょう。
どんなに高学歴でも、募集するポジションの経験や実力が乏しければ、中途採用では何の効力もありません。
このように転職活動では学歴よりもスキルや実績が重視されます。
新卒採用の場合、社会人経験がないので企業は、即戦力を期待していません。
働きながら経験や実績を積んで将来、会社に貢献してくれるかどうか、ポテンシャルを重視した採用になります。
その判断材料の1つとなるのが、学歴。
学歴がいい人は、偏差値の高い大学に進学するため、少なからず努力しているはずです。学歴はその証となり、企業から「意欲的に知識を得ようとする資質がある」と判断され、高評価に繋がります。
学歴が全てではありませんが、学歴の低い求職者と高い求職者を比べたときに、高い方を採用する確率が高いのは否めません。
一方、中途採用の場合は、企業は即戦力を期待しています。そのため現職でどんな業務をして、どんな結果を残したか。またどんなスキルをもっているのかを重視した採用になります。そこに学力関係なく、実力さえあれば大企業を狙うことも可能です。
このことから転職活動では、学歴コンプレックスを払拭し、気になる企業があれば積極的にアタックすることをおすすめします。
新たな一歩を踏み出す転職活動に学歴コンプレックスは不要だし、むしろ邪魔になることがわかりました。
とはいえ、今まで学歴コンプレックスに悩んできた人にとって、いきなり考え方を変えるのは難しいものです。
そこでここからは、学歴コンプレックスを克服する5つの方法をご紹介します。
簡単に今日からできるものもありますので、学歴コンプレックスを克服して、新たな一歩を踏み出しましょう。
克服法1:納得のいく仕事に転職する
「こんな仕事をするはずではなかった…」
「作業量と給料が見合わない仕事についてしまった…」
仕事内容や給料、職場環境など今の仕事に何かしら不満があると、
学歴が低くて今の仕事しかなかったから、こうなったのだ
と思ってしまいがちです。
しかしながら、それは本当に学歴が低いからだからでしょうか。
今の仕事が自分に合わないから、学歴のせいにして自分自身を、無理矢理納得させようとしていませんか。心からやりたい仕事に就けば、学歴の低さは関係ないはず。
自己分析をして、自分が本当にしたい、納得できる仕事に転職しましょう。
自己分析については、次の記事が参考になりますのでご覧ください。
克服法2:副業をして自らの力で稼ぐ体験をする
頑張っても頑張っても給料が上がらないのは、学力が低くて今の仕事しか入れなかったからだ…
学歴コンプレックスを持つ人の中には、給料の額で劣等感を抱いている方もいるでしょう。
そこですぐに給料の良い所に転職しようとするのも悪くはないのですが、転職にはリスクが伴います。また劣等感を抱いたまま転職活動をすると、新しい職場でも同じような悩みが出る恐れがあります。
そこでおすすめなのが自分の力で稼ぐ副業です。
近年では、副業を認める企業が多くなり、副業を始める人が増えています。副業は少額ながらも、給料を補填できるので劣等感をなくすことができます。
また自分の力で稼いだという経験が、学歴コンプレックス克服にもつながるのでおすすめです。
克服法3:資格取得やスキルアップをする
学歴コンプレックスを感じる多くの人が
学生時代にもっと勉強を頑張っていれば…
と後悔しているはずです。
ならば、資格取得やスキルアップで学歴をカバーしましょう。
これからの社会で必要となるスキルを身に付ければ、自分の強みとなり学歴を気にすることなく仕事もプライベートも充実させることができます。
資格取得やポートフォリオなど視覚化できる結果を残すことができれば、転職時に企業から注目されるでしょう。
なお、これからの社会で強みとなるスキルや強みは次の通りです。
・英語…TOEICで高得点を目指すと一目置かれるでしょう
・プログラミング…エンジニアでなくても論理的思考が身についていると認識され、企業から重宝されます
何を身に付けようか迷っている方は、ぜひこの2つを検討してみてください。
克服法4:人を学歴で判断しないよう意識する
学歴コンプレックスを感じている人の多くは、過去に学歴で嫌な思いをされた経験があるからではないかと推測できます。
しかし、あなた自身も「学歴」というフィルターを通して、他人を見ていませんか?
○○大学出身だから、こんなこともできないんだ
このようなことを口には出さないものの、思ったことはありませんか?
人に学歴で判断されたくないならば、まずはあなた自身が「学歴」で人を見ることを止めましょう。
「学歴」フィルターを外して、他人と接することができれば、あなた自身も気持ちが楽になるはずです。
克服法5:自分の好きなことを見つける
学歴コンプレックスを感じている人の多くは、自分には「仕事」しかないと考えがちです。
そうであるがゆえに仕事に不満が出てくると、
学歴が低いことが原因で希望の職に就けなかった
学歴が低いから、出世がうまくいかない
と仕事の不満イコール学歴が原因という考えに陥ってしまいます。
このような悩みを抱えている方は、「仕事」から距離を置いてプライベートで熱中できる好きなこと、趣味を探してみてはいかがでしょうか。
現在、企業の定年退職の年齢は60歳となっております。
2025年までには定年は65歳制となりますが、私たちの平均寿命は、男性81歳、女性87歳です。
つまり仕事を退職してから亡くなるまで、20年以上もの余生があります。仕事だけに注力していたら、その後の余生をどう過ごせばいいか分からなくなりそうです
人生は仕事だけではありません。自分の好きなことを見つけて、没頭することで学歴に劣等感を抱くことも少なくなります。
学歴コンプレックスは、自分の失敗を正当化する「言い訳」にも繋がります。
「学歴が低いから、○○ができない」
学歴のせいにして自分が傷つかないようにしているのです。
しかし学歴コンプレックスを克服しなければ、いつまでも学歴に縛られることになります。大学を卒業して、もう数年が経とうとしている今、そろそろ学歴コンプレックスを克服しませんか?
過去に学歴で嫌な思いをした人はなかなか一歩を踏み出せないかもしれません。でも学歴コンプレックスは考え方や行動を少し変えることで必ず克服できます。
自分に自信を持ち、キャリアを積んでいくためにも学歴コンプレックスを払拭して、転職や副業など新たな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。