大企業を辞めて独立した二人の朝活に同行し、独立について色々聞いてみた（山田功生/徳原靖也）

コーヒー頼むとトーストついてくるんですよ。最高じゃないですか？

僕はいつかは独立したいなとは思っていましたが、きっかけは社内人事ですね。ちょっと納得いかない人事があって、悩んだ末に会社を辞めることにしたんです。ただ次が決まっていなかった。SNSで独立すると書いたら色んな方から誘っていただいてそれがどれも魅力的で。1社に転職が決められないからそれならパラレルワーカーになろう、と。だから不安がなかったといったら嘘になりますが、なんとかなるんじゃないかなというのが僕の感覚です。

僕も独立せざるを得なかった、というのが正直なところです。元々JTにいてPloom（プルーム）という電子タバコのマーケティングをやっていたんですが、次のキャリアということで他の会社に転職したんですよ。そうしたらそこが致命的に合わず（笑）。1ヶ月半で辞めたるわ、と。人の下で働くということが合わないんだなとつくづく感じました。だからまあ、怖い怖くないというより自分に合う生き方を選んだ、という感じですね。

自分で決める、ということじゃないですか。自己決定している人の方が幸福度は高いという話がありますが、独立やフリーランスはまさにそれで、全部自分で決めることになります。嫌な人とは付き合わなくていいし、仕事を引き受ける引き受けないも自分で決めます。

仕事に覚悟と責任が生まれますね。あくまで僕の場合はですが、会社員時代はどこかゲーム感覚だった気がします。起きていることにどう対応するかで終了していましたが、今はそれだけじゃなくて自分という人間がどうあるべきかを考えるようになりました。

そう、徳ちゃんの今の話に関連するんですが、独立すると覚悟や責任がすごい人と出会うことになるので、質の高い情報を得られるようになります。気づきの質は責任の量に比例します。自分で責任を持っている人とのつながりが生まれていくのは魅力ですよね。でもね、こんなこと言っておきながらですが僕、今の生活って満足はしてるけど超満足はしてないんですよ。

パラレルワークって、部活を兼務している感覚に近いんです。責任感持って、お客さんの期待に答えるためにやってる自負はありますけど、やっぱりサポーターで、自分はメインではないんです。会社員時代はそれがありました。会社員時代は「これをやる！」というものが決まってるじゃないですか。そして敵も味方もいるので燃えるんです。

めっちゃ分かりますね、それ。会社員時代は戦国時代にいたような感じですよ。僕も社内で喧嘩はしょっちゅうしててカリカリしてましたが、その代わりプロジェクト達成時の「やってやった！」という高揚感がありましたね。それに僕の場合は電子タバコという当時まだ０のマーケットが3年間で500億円市場に成長する最前線にいれました。そんな戦いはなかなかできない。そういう意味では、会社員時代の方がエキサイティングでしたね。

フリーランスはね、オリンピックを誘致したりはできないんですよ。それは巨大な資本を持っている大企業だからできることです。だからスケールの大きな仕事がしたいなら会社員にいた方がいいかもしれませんね。

シンプルですが、スキルがなかったら転職の方がいいんじゃないですかね。スキルがあれば転職か独立かどちらかを選べばいいです。スキルはなんでもいいと思いますけどね。

会社員時代に考えて行動した成功体験がない人は独立しない方がいいんじゃないかなと思いますね。その経験がないと独立した後に再現するのは難しい気がします。

でもね、誰しもまずは独立しちゃっていいんじゃないかなとも思いますよ。それでうまくいかなかったら転職すればいいんです。自分にはスキルがなかったんだな、と学べばそれでいいじゃないですか。僕も徳ちゃんもそうだったように、独立するのに覚悟はないほうがいい。自然体の方がいいですよ。ふつふつとネガティブな理由で会社に残ってるくらいなら辞めた方がいいです。人としての心が汚染されている。人も自分も嫌いになっちゃう。それが1番の悲劇です。

独立には物理的な独立と精神的な独立の２種類があると思います。独立に不安な人はまずは精神的な独立をしてみてはどうですかね。つまり、会社を辞めるという意思決定を自分でしてみては。だからまず転職する。社内の辞令で自分の人生を決められるんじゃなく、自分で進路を決めてみる。それができれば、また違うものが見えてくるんじゃないでしょうか。

この先どうなるかわからない、というのは独立するとありますよ。10年後、自分がどこで何してるのか僕自身もさっぱりわかりません。でもそれは不安じゃないですね。なんとかなるかな、と。最悪、コンビニとかで死ぬ気でバイトすれば月30万円くらいは稼げるじゃないですか（笑）。

僕は起業して人を雇ったんですよ。サービスのローンチはこれからなのでマネタイズはまだですが、今は社員がちゃんと食えて生き生きと働ける環境を作らないと、という使命感で燃えています。自分で仕事をとってきてそのお金で社員に新規事業を作ってもらっています。さっき、会社員時代の方がエキサイティングだといいましたが、戻りたいかと言われたらそんなことないです。今は自分で事業をでかくする、という挑戦をしていますからね。